高関健&東京シティ・フィルがマーラー「復活」で50周年イヤーの掉尾を飾る

左より:高関 健 ©K.Miura/森野美咲/加納悦子

 東京シティ・フィルは創立50周年のシーズンの締めくくりとして、マーラーの大作を連続して取り上げる。2月に第6番、3月に第2番。いずれもオーケストラの節目や記念にふさわしい楽曲だが、内容は対照的だ。オーケストラの器楽的な能力を極限まで追求し、厳しい結末に収斂していく「悲劇的」。バンダの駆使や合唱の参加なども加えた大管弦楽の可能性を拡大し、最後は壮大な響きで希望と感動を伝える「復活」。この対比こそ、2015年以来10年間、常任指揮者として楽団を成長させてきた、マエストロ高関健ならではの発想だろうし、進化の成果を示すのにこの上ない演目である。

 その「復活」が上演されるのは、シーズン最終日の2026年3月31日。高関の明晰なマーラー解釈が、室内楽的な精緻さからホールを包み込むような雄大な音響まで、特別な世界観をもつ記念碑的作品をどう再現するのか。節目のシーズンに大作を連続させた高関健と東京シティ・フィルにとって、ひとつの集大成的な公演になるのは間違いない。

 そこに、ウィーンを拠点に活動して、近年は日本でも活躍顕著な新鋭、ソプラノの森野美咲。重要公演に欠かせぬ存在感と深い声をもつ名匠、メゾソプラノの加納悦子。それぞれに注目の名歌手がそろうのはうれしい。さらに、結尾では今年度大活躍を続けた東京シティ・フィル・コーア(合唱指揮:藤丸崇浩)が、入魂の歌声で復活を歌い上げる。年度の締め日でもあるが、ここは万障繰り合わせてサントリーホールに参集したい。

文:林 昌英

(ぶらあぼ2026年1月号より)

東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団 50周年記念特別演奏会
マーラー:交響曲第6番
 2026.2/11(水・祝)14:00 
交響曲第2番 3/31(火)19:00
サントリーホール
問:東京シティ・フィル チケットサービス03-5624-4002 
https://www.cityphil.jp


林 昌英 Masahide Hayashi

出版社勤務を経て、音楽誌制作と執筆に携わり、現在はフリーライターとして活動。「ぶらあぼ」等の音楽誌、Webメディア、コンサートプログラム等に記事を寄稿。オーケストラと室内楽(主に弦楽四重奏)を中心に執筆・取材を重ねる。40代で桐朋学園大学カレッジ・ディプロマ・コース音楽学専攻に学び、2020年修了、研究テーマはショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲。アマチュア弦楽器奏者として、ショスタコーヴィチの交響曲と弦楽四重奏曲の両全曲演奏を達成。