セドリック・ティベルギアン(ピアノ)

ピアノ音楽の歴史を辿る3曲

©Jean Baptiste Millot
©Jean Baptiste Millot

 1975年生まれというから今年で40歳。パリ国立音楽院出身、若くしてデビューしキャリアを積み上げつつ、近年はヴァイオリニストのアリーナ・イブラギモヴァとデュオを組み、来日の回数も多くなっているのがセドリック・ティベルギアンだ。その演奏は明快にしてロマンティック。CDではJ.S.バッハやショパン等の作品を生命感あふれる演奏で聴かせ、おせっかいながら「もっとソロを聴かせてくれればいいのに」とさえ思ってしまうのである。
 この10月もイブラギモヴァのパートナーとして来日するが、数少ないソロ・リサイタルがフィリアホールで行われるのは朗報だ。しかもプログラムがモーツァルトのドラマティックなハ短調ソナタ(第14番)に始まり、ベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタ、そしてショパンの「24の前奏曲」。彼のピアニズムを十分に味わえそうな3曲であり、ピアノ音楽の歴史を辿る3曲でもある。イブラギモヴァ・ファンも注目を。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

10/5(月)14:00 フィリアホール
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831
  フィリアホールチケットセンター045-982-9999
http://www.pacific-concert.co.jp