田崎悦子が紡ぐベートーヴェン&チャイコフスキーの協奏曲──室内楽編成で味わう円熟のピア二ズム

 一瞬にして楽曲の世界観へと聴衆を引き込む音色と表現力によってあらゆる作曲家の本質を届けるピアニスト、田崎悦子。ソロに室内楽、教育活動と多岐にわたる熱心な活動を行う彼女が、独奏と、弦楽アンサンブルを率いてのピアノ協奏曲に挑む。

 最初に奏でられるのはモーツァルトの幻想曲ハ短調。ドラマティックな展開と、ピアノを超えたオーケストラのような響きが内包された楽曲で田崎の音楽性が改めて感じられることだろう。それに続くのはベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番。瑞々しさと軽快さに富んだ協奏曲であり、室内楽的な緊密さによるアンサンブルを楽しむことができる楽曲だ。そして最後にはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が置かれており、田崎の音楽のスケールの大きさ、タッチの煌めき、歌心を存分に味わうことができるだろう。

 弦楽アンサンブルはこれまでにも田崎との共演経験を持つヴァイオリンの城所素雅をはじめ、各方面で活躍する腕利きの奏者たちが集まっており、こちらにも期待が膨らむ。

文:長井進之介

(ぶらあぼ2026年1月号より)

コンチェルトを弦楽五重奏とともに 田崎悦子(ピアノ)
2026.1/18(日)14:00 東京文化会館(小)
問:カメラータ・トウキョウ03-5790-5560
http://www.camerata.co.jp


長井進之介 Shinnosuke Nagai

国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
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