
ラ・プティット・バンド、バッハ・コレギウム・ジャパンなど数々の世界的団体を活気づけてきた寺神戸亮(ヴァイオリン)ら、日・欧双方で活躍する名手が集う古楽器集団「バロックの真珠たち」。アムステルダムを拠点とするチェンバロ奏者・天野乃里子の主導で2019年に結成されたこのグループを日本で聴ける日がついに来る。
欧州クラシック界ではもはや不可欠な古楽器演奏を最前線で牽引するL-O.サントス(ヴァイオリン)や秋葉美佳(ヴィオラ)、R.ツィパーリング(チェロ 他)ら実力派勢の他、古楽器で日本のシーンを刺激してやまない新世代・丸山韶(ヴァイオリン)や角谷朋紀(コントラバス)の参入も頼もしい。文学表現を音で代弁するヴィヴァルディ「四季」とクープラン「リュリ讃」に加え、コレッリの合奏協奏曲を最少人数でどう弾きこなすかも楽しみだ。18世紀流の楽器と奏法での演奏に、絵美里・ファン・バーレンが当時の音楽と不可分なバロック舞踏を披露。バロック(歪んだ真珠)の複雑な輪郭がどれほど豊かな陰影を宿していたか、改めて実感できる場となりそうだ。
文:白沢達生
(ぶらあぼ2025年12月号より)
「バロックの真珠たち」室内楽団 日本公演
2025.12/8(月)18:30 TOPPANホール
12/9(火)18:30 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
問:バロックの真珠たち後援会080-4080-0716
https://norikoamano.com/pearls/

