
“音楽で心身リフレッシュ”がコンセプトである「ごほうびクラシック」の年末スペシャルとして、シリーズの中でも人気の「ピアノ・オールスターズ」が今年も開催される。今回も国内外のコンクールで実績をあげた気鋭のピアニストが名を連ねる。ピティナ特級グランプリ、ルイスヴィル・レイク・シンフォニー国際入賞の南杏佳。ピティナ特級、IMFパリ国際で優勝の尾城杏奈。ルーマニア国際優勝、またシンガーソングライターとしても活躍しているロー磨秀。そして、東京音楽コンクール優勝の他、浜松国際では日本人作品最優秀演奏賞の梅田智也。
第1部は「リクエスト曲コーナー」で、各人が選曲した中から投票で選ばれた1〜2曲が演奏される。古典派やロマン派王道の名作からポピュラー作品まで、「この人の演奏で、この曲を聴いてみたい!」と選ぶのは悩みそうだが、投票締切は10月31日なのでまだ間に合う。
第2部は「ピアノ・パッション 〜4つの個性が描く名曲の世界〜」。ここでの選曲も、まさにタイトルのとおりの名曲がずらり。パリ国立高等音楽院に留学していたローはフランスの作曲家ドビュッシーの「前奏曲集」より。現在ボストン音楽院で学ぶ南はリスト「スペイン狂詩曲」。エコールノルマル音楽院ペルフェクシオヌマン課程在籍の尾城はショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗な大ポロネーズ」。ウィーン国立音楽大学で研鑚を積んだ梅田はベートーヴェンのピアノ・ソナタ第23番「熱情」。…という、4人の個性とピアニズムが堪能できる。これは良い年の瀬になること間違いなし。
文:上田弘子
(ぶらあぼ2025年11月号より)
ごほうびクラシック 第16回 年末スペシャル ピアノ・オールスターズIV
ピアノ・パッション ~4つの個性が描く名曲の世界~
2025.12/21(日)15:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
https://www.triton-arts.net

上田弘子 Hiroko Ueda(音楽ジャーナリスト、イラスト・デザイナー)
音楽大学在学中より創作(演奏・執筆・デザイン)活動を始め、現在、音楽雑誌、季刊誌、公演プログラムやCD解説等々に執筆。また国内外のコンクール審査員、評議委員、レクチャーやマスタークラス講師なども務める。ビジュアルの分野(イラスト、写真)でも活躍しており、著書「コンクールおもしろ雑学事典」(ヤマハミュージックメディア刊)、仙台国際音楽コンクール公式グッズ(作曲家コーヒー)ではイラストも描いている。

