
チェロ2本とピアノの三重奏は実に珍しい。その稀少な響きを体験できるのが、ユルンヤーコブ&アンドレアスのティム親子とピアノの浜野範子によるトリオリサイタルだ。1949年ドイツ生まれの父ユルンヤーコブは、世界最古の民間オーケストラ、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の首席奏者を長年務めたほか、ゲヴァントハウス弦楽四重奏団のメンバーやバイロイト音楽祭オーケストラの首席奏者としても活躍した正統派の名手。1975年生まれの息子アンドレアスは、ベルリン・コンツェルトハウス管の準首席奏者を務め、ソロでも腕をふるっている。内外で多彩な活動を行う浜野は、2012年から父と共演を重ね、このトリオでも15、17年に演奏した経験の持ち主。ゆえに今回は、互いを熟知した奏者による親密な音楽が期待される。
プログラムは、バリエール、ポッパー、ピアッティによる貴重な2本のチェロ作品と、フォーレやシューマン等の有名曲の組み合わせ。これは、ドイツ伝統の響きと清新な音色を併せて味わえる、またとない機会だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2025年10月号より)
ユルンヤーコブ・ティム & アンドレアス・ティム(以上チェロ)& 浜野範子(ピアノ) トリオリサイタル Vol.3
2025.12/5(金)19:00 王子ホール
問:ビーフラット・ミュージックプロデュース03-6908-8977
https://www.bflat-mp.com

