ウィーン・フィルの首席フルート奏者と日本を代表するギタリストを主軸にした好アルバム。レアなシューベルトの四重奏曲(マティーカなる作曲家の作品の編曲)では、ウィーン・フィルの精鋭2名と共に、愉悦感溢れるアンサンブルが展開される。C=テデスコのソナチネ(オリジナルの二重奏)は、第2楽章の哀切な音楽と第3楽章の名人芸が印象的。後半のシューベルトの歌曲集(シュッツ&鈴木編曲)は、この編成に合った楽曲が巧みに選ばれており、シュッツの純朴で温かな表現も相まって清新な感触を味わえるし、シューベルト歌曲のメロディの魅力を再発見させられる。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2025年10月号より)
【information】
CD『シュッツ&鈴木大介 play シューベルト/カール=ハインツ・シュッツ&鈴木大介』
シューベルト:フルート ギター ヴィオラとチェロのための四重奏曲、「美しい水車屋の娘」より(シュッツ&鈴木編)/カステルヌオーヴォ=テデスコ:フルートとギターのためのソナチネ 他
カール=ハインツ・シュッツ(フルート)
鈴木大介(ギター)
ロベルト・バウアーシュタッター(ヴィオラ)
タマーシュ・ヴァルガ(チェロ)
収録:2019年8月、草津音楽の森国際コンサートホール 他(ライブ)
カメラータ・トウキョウ
CMCD-28394 ¥3080(税込)



