横須賀製鉄所(造船所)創設150周年記念 ポール・メイエ(クラリネット)& アンサンブル

横須賀で味わう極上のアンサンブル

 サブタイトルに「モーツァルト→ベニー・グッドマン」とあるとおり、バロックから古典派、プロコフィエフやバーンスタインにジャズまで盛り込んだ、楽しそうなコンサート。名手ポール・メイエは、若い頃ニューヨークで晩年のベニー・グッドマンに絶賛され、このジャズ・レジェンドとの交流を通じてジャズやポップスにも活動の場を拡げてきた。だから、この謳い文句は伊達ではない。腕利きが揃った赤丸急上昇中の若手クァルテット、ウェールズ弦楽四重奏団と共演するというのも楽しみ倍増ポイントだ。また、この公演は「横須賀製鉄所(造船所)創設150周年記念」と銘打っている。幕末にこの地に造船所(当初は製鉄所)を建設する際に、西洋の先端技術を導入するために招かれたのがフランス人技師だったというから、横須賀でフランス人奏者のメイエが演奏するのは、日仏友好の歴史からも意味のあることなのだ。夏の初めの週末、潮風を感じながら極上のアンサンブルを!
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)

7/4(土)15:00 よこすか芸術劇場
問:横須賀芸術劇場046-823-9999 
http://www.yokosuka-arts.or.jp