2人の名手による情熱の響き
音楽ライター、山野雄大のわかりやすく楽しいナビゲートも好評な『雄大と行く 昼の音楽さんぽ』。第2回目には、日本を代表するギタリスト、鈴木大介と大萩康司のデュオが登場し、スペインを中心としたテーマで、バラエティ豊かなプログラムを披露する。アルベニス、グラナドス、ファリャの有名曲に加え、ロッシーニや、フォーレ、ピアソラなど、スペイン人以外の作品が含まれているのも面白い。確かな技術とダイナミックな表現力を備えた2人の掛け合いは、作品に潜む情熱や悲しみを余すところなく描き出すことだろう。中でも楽しみなのが、ファリャの歌劇《はかない人生》より「スペイン舞曲第1番」と、ピアソラの「タンゴ組曲」。華麗なフラメンコと哀愁漂うジプシー音楽が巧みにブレンドされた前者は、2人の奏者にぴったりの名曲だ。そして、天才ギター・デュオ、アサド兄弟のために書かれた後者。まるで兄弟のように仲のよい彼らが、このギター・デュオの傑作をどんな呼吸感で歌い上げるかに注目しよう。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)
9/3(木)11:00 第一生命ホール
問:トリトンアーツ・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net