川﨑翔子はドイツと日本を拠点に活躍するピアニスト。バロックから現代曲まで幅広いレパートリーを持ち、精緻な技術、多彩な音色によって作品の魅力を届けている。本盤はそんな彼女のテクニックと音楽性が詰まった内容であり、ショパンにドビュッシー、リゲティの練習曲を組み合わせて配置。調性や曲の性格などを考慮した組み合わせ方によって、全体が一つの作品であるかのような物語性が作り上げられていると同時に、それぞれの魅力も浮き彫りとなっている。楽曲そのものはもちろん、練習曲というジャンルの芸術性について改めて考えさせられる。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2025年7月号より)
【information】
CD『Die Tastenkunst ―鍵盤芸術の極み― /川﨑翔子』
ショパン:12の練習曲 op.25/ドビュッシー:12の練習曲 第1,3,4,6,11番/リゲティ:練習曲 第2,4,8,10,13番
川﨑翔子(ピアノ)
妙音舎
MYCL-00058 ¥3410(税込)

長井進之介 Shinnosuke Nagai
国立音楽大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学に交換留学。アンサンブルを中心にコンサートやレコーディングを行っており、2007年度〈柴田南雄音楽評論賞〉奨励賞受賞(史上最年少)を機に音楽ライターとして活動を開始。現在、群馬大学共同教育学部音楽教育講座非常勤講師、国立音楽大学大学院伴奏助手、インターネットラジオ「OTTAVA」プレゼンターも務める。
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