脇岡洋平(ピアノ)

俊英が挑むリストの深淵

 鮮烈なる感動が、再び。脇岡洋平は、東京芸大からベルリン“ハンス・アイスラー”音楽大学、さらにハンガリーのリスト音楽院で研鑽を積んだ俊英ピアニスト。在学中から国内外のコンクールで入賞を重ね、ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団など一線オーケストラと共演する一方、ブダペストでのリサイタル・シリーズも現地で高く評価されるなど、国際的な活動を展開している。
 今回は、2010年と12年に続いての東京文化会館小ホールでのリサイタル。ヘンデルの組曲第5番に、リスト編曲のワーグナー「イゾルデの愛の死」、フランク「前奏曲、コラールとフーガ」、リスト「巡礼の年」から第2年「イタリア」という彩り豊かなプログラムに挑む。リストを軸に、繋がりの深いワーグナー、緩やかに繋がるヘンデルとフランクを配するという、独特のセンスが光るメリハリのある選曲。これらの佳品が、俊英の妙技によって、どう共鳴し合ってゆくのか。ぜひともご自身の耳で、お確かめいただきたい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)

6/9(火)19:00 東京文化会館(小)
問 プロアルテムジケ03-3943-6677 
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