ソロとアンサンブルで魅せる豊かな音色
国内外でソロ、室内楽と幅広く活動するピアニストの奥村友美は、ベルリンのハンス・アイスラー音大、同大学院で学び、国家演奏家資格を取得。ケルン国際第3位をはじめとする国際コンクールで数々の受賞歴を誇る才媛だ。「洗練された色彩豊かな音色のパレットから描き出される音の絵」と評される音色を武器に、東京と浜松で同一プログラムでリサイタルを開催。前半は旋律美と民族色が融合したバルトークのルーマニア民族舞曲に、彼女の十八番であるベートーヴェンの「ワルトシュタイン」ソナタ、リストの「波の上を渡るパオラの聖フランチェスコ」が続く。技巧と劇的表現が融合した作品の連続に彼女の自信の程が窺える。後半は、ドイツから帰国したばかりの田淵彩華(ヴァイオリン)、フランスでの活躍が目覚ましい高橋梓(ヴィオラ)と加藤文枝(チェロ)を迎え、ブラームスのピアノ四重奏曲第1番を。欧州で幅広い活動を続ける若き奏者たちとの競演によって、この重厚な作品がどう調理されるか非常に楽しみだ。
文:長井進之介
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年4月号から)
5/30(土)19:00 ヤマハホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
6/7(日)14:00 アクトシティ浜松(中)
問:奥村友美コンサート実行委員会053-452-3281