エイヴィン・グルベルグ・イェンセン(指揮) 読売日本交響楽団

新たな才能、無類の名手がもたらす多彩な喜び

 ベルリン・フィル、パリ管、ミュンヘン・フィル等で評価を上げている指揮者の初登場となれば、期待して当然だろう。読響の5月公演は、そのエイヴィン・グルベルグ・イェンセンが2つのプログラムを振る。ノルウェー生まれの彼は、2009〜14年ハノーファー北ドイツ放送フィルの首席指揮者を務め、数々の一流楽団やバイエルン国立歌劇場ほか各地の歌劇場に客演し、ウィーン国立歌劇場への出演も決まっている。12年のパシフィック・ミュージック・フェスティバルに客演しているものの、今回が本格的な日本デビュー。3月の欧州ツアーを成功裏に終えた実力派オーケストラとのコラボが、大いに注目される。
 5月13日のプログラムは、ショスタコーヴィチの交響曲第7番「レニングラード」。戦いをテーマにした壮大な同曲では、オペラの実績を生かしたドラマティックな表現が期待されるし、読響一流の重量感も聴きものとなる。前半のモーツァルトのピアノ協奏曲第17番も、ピリオド楽器の第一人者、アンドレアス・シュタイアーが、モダン・ピアノでソロを弾くとあっては、絶対に聴き逃せない。軽妙で変化に富んだ曲だけに、自在の名奏が我々に極上の愉悦感を与えてくれること必至だ。
 もう1つのプログラム(5/17)は、イェンセンのお国もののグリーグ「ペール・ギュント」第1組曲、そして、ニールセンのクラリネット協奏曲、ブラームスの交響曲第2番。名うての超難曲であるニールセンでは、読響首席クラリネット金子平のクリアなソロが楽曲の真価を明らかにし、ブラームスの名作では、ウィーンで学び、ハノーファーで培ったイェンセンのドイツものへの造詣の深さが披露される。話題に溢れた、必聴の2公演だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

第548回 定期演奏会 5/13(水)19:00 サントリーホール
第177回 東京芸術劇場マチネーシリーズ
5/17(日)14:00 東京芸術劇場コンサートホール
問:読響チケットセンター0570-00-4390
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