ロシアの名手コロベイニコフが浜離宮朝日ホールに初登場
2004年スクリャービン国際ピアノコンクールに優勝するなど輝かしい経歴を誇るピアニスト、アンドレイ・コロベイニコフが、「The Bells ~人生の四季~」と題した意欲的なリサイタルを開く。The Bells、すなわち鐘と言えば思い出されるのがラフマニノフ。少年期に耳にしたロシア正教の鐘の音は、作曲家にとって創作力の源となった。また、エドガー・アラン・ポーに「The Bells」という詩がある。この詩はラフマニノフの合唱交響曲「鐘」でテクストに用いられている。
そこで、コロベイニコフが考案したのは、ラフマニノフのピアノ独奏曲とポーの詩の朗読から構成されるリサイタル。有名な前奏曲「鐘」で始まり、以降を「Silver Bells~青春」「Golden Bells~成熟」「Brazen Bells~人生の荒波」「Iron Bells~死」の4章仕立てにして、合間に朗読を挟む。各章では練習曲集「音の絵」や「楽興の時」、13の前奏曲、10の前奏曲他より抜粋した楽曲や「コレッリの主題による変奏曲」などが散りばめられる。
コロベイニコフは17歳で司法試験に合格し、多言語を操る才人として知られ、ラ・フォル・ジュルネ TOKYOでも好評を獲得してきた。知的好奇心を刺激するプログラムで、ラフマニノフに新たな光を当てる。
文:飯尾洋一
アンドレイ・コロベイニコフ ピアノ・リサイタル
“The Bells ~人生の四季~”
2025.1/24(金)19:00 浜離宮朝日ホール
【オール・ラフマニノフ・プログラム】
Overture
幻想的小品集 op.3 第2曲 前奏曲「鐘」
Silver Bells ~青春 Adolescence~
練習曲集「音の絵」op.33 第7番
13の前奏曲 op.32 第12番
楽興の時 op.16 第2番
10の前奏曲 op.23 第9番、第7番、第2番
Golden Bells ~成熟 Maturity~
10の前奏曲 op.23 第4番、第10番
楽興の時 op.16 第5番、第6番
13の前奏曲 op.32 第3番、第13番
Brazen Bells ~人生の荒波 Life’s Tempest~
13の前奏曲 op.32 第8番
練習曲集「音の絵」op.39 第3番
ピアノ・ソナタ第2番 op.36 第2楽章
Iron Bells ~死 Death~
幻想的小品集 op.3 第1曲「エレジー」
コレッリの主題による変奏曲 op. 42
13の前奏曲 op.32 第10番
練習曲集「音の絵」op.33 第9番
※各楽章間にアンドレイ・コロベイニコフによるエドガー・アラン・ポーの詩の朗読(プログラムに対訳を記載)あり
問:朝日ホール・チケットセンター03-3267-9990
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/