【SACD】メシアン:時の終わりのための四重奏曲 他 /久保田巧&長谷川陽子&亀井良信&廻由美子

 桐朋学園で教鞭をとる日本の代表的奏者たちが、セッションで録音を行ったメシアンの代表作と、同じ編成で書かれた現代イギリスの作曲家アデスの作品(約10分)のカップリング。最初のアデス作品は、全体の音の綾─特にクラリネット─が美しい。メシアンの方は、先鋭性を強調するよりも、1941年作の室内楽曲としてストレートかつニュアンス豊かに表現されている。繊細で雄弁な亀井のクラリネットが特に素晴らしく、同楽器のみで奏される第3楽章は大きな聴きもの。4楽器が終始ユニゾンで駆け回る第6楽章の音と呼吸の揃い方やしなやかな運びも見事だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2024年12月号より)

【information】
SACD『メシアン:時の終わりのための四重奏曲 他 /久保田巧&長谷川陽子&亀井良信&廻由美子』

アデス:歌劇《テンペスト》より「コート・スタディーズ」/メシアン:時の終わりのための四重奏曲

久保田巧(ヴァイオリン) 長谷川陽子(チェロ) 亀井良信(クラリネット) 廻由美子(ピアノ)

妙音舎
MYCL-00052 ¥3740(税込)