愛知県立芸大を卒業し、現在は愛知室内オーケストラのメンバーとして日々共演を重ねている5人が結成したクインテット・ポワンティエ。第2弾のディスクは20世紀前・中期に書かれた作品を集めた。冒頭のニールセンからそれぞれの奏者が伸び伸びと演奏しながら、要所は一致団結してまとめていく。そのバランスが絶妙だ。変奏曲の様式感もいい。しっとりと仕上げたホルストに続き、バーバーの「サマー・ミュージック」は抒情性と歯切れの良さが交差して、この曲に名演が一つ加わった。最後はハンガリーの作曲家セルヴァンスキーの鄙びた素朴さを感じさせる佳品を、心地よい推進力で聴かせる。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2024年11月号より)
【information】
CD『ポワンティエII―20世紀木管五重奏名曲集― /クインテット・ポワンティエ』
ニールセン:木管五重奏曲/ホルスト:木管五重奏曲/バーバー:サマー・ミュージック/セルヴァンスキー:木管五重奏曲第1番
クインテット・ポワンティエ
【世良法之(フルート) 熊澤杏実(オーボエ/イングリッシュホルン) 芹澤美帆(クラリネット) 野村和代(ファゴット) 向なつき(ホルン)】
妙音舎
MYCL-00038 ¥3410(税込)