神韻晩會 2015 日本公演

踊りと映像の美しきコラボレーション

 アメリカ・ニューヨークに拠点を置き、世界的な活動を続けている中国の舞踊団「神韻芸術団」。失われた中国の「伝統文化」の復興を使命として2006年に誕生。以来、毎年世界のおよそ100都市を回り、反響を呼んでいる舞踊団である。
 この団の特徴は、音楽と舞踊で天上の風景や古代伝説、英雄伝を語ることにより、中国に古くから伝わる思想や伝統、歴史をわかりやすく伝えていること。
 司会による演目解説もあり、より理解を深めることができるようになっている。古典舞踊や舞踊劇、オペラ歌手による独唱などバリエーションに富んだ演目がテンポよく進んでいき、飽きさせない。
 ダンサーは非常に身体能力が高く、男性は難易度の高い跳躍や宙返りなどの超絶技巧を駆使した踊りを、女性は柔軟性を存分に活かしたたおやかな踊りを披露して圧巻だ。極彩色の衣裳や、最新テクノロジーを使用した映像を組み合わせた装置も中国らしさに溢れている。また、同団には専属のオーケストラが帯同し、二胡や琵琶など中国古来の楽器と、西洋の楽器を組み合せたオリジナルの楽曲を演奏。この団にしかない独特の調べで華を添える。
 日本での公演は今年で8回目となるが、毎年プログラムは一新されるので、新鮮な発見があるはず。現代の中国では失われてしまった文化と思想に触れてみてはいかがだろうか。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年3月号から)

4/15(水)、4/16(木) 兵庫県立芸術文化センター 
4/18(土)〜4/21(火) 東京文化会館 
問:古典芸術振興会コールセンター0120-91-8487 
http://ja.shenyun.com