金管楽器のスーパープレイヤーたちが魅せる圧巻のパフォーマンス
楽器を持った10人のサムライたち ——金管楽器と打楽器から成る、人気と実力を兼ね備えたブラスユニット「侍BRASS」がこの夏もコンサートを開催する。
メンバーは楽団長の中川英二郎(トロンボーン)や盟友であるエリック・ミヤシロ(トランペット)などジャンルレスな活躍をみせるプレイヤーに、日本フィルソロ・トランペット奏者オッタビアーノ・クリストーフォリ、読響テューバ奏者の次田心平ら「ブラス界の剣豪」がずらり。打楽器(岩瀬立飛)に加え、通常の金管アンサンブルではあまり見られないユーフォニアム(齋藤充)が入った編成であるところも特徴のひとつだ。
今年のコンサートには「羊皮紙の世界図」というサブタイトルがついているが、気鋭の作曲家・山岸恵菜の世界初演作の曲名だ。ほかにも中川が自ら手掛けた「龍神伝説」「侍」、石川亮太の「徒然草」といったアンサンブル作品やソロ曲のほか、吹奏楽ではおなじみのロバート・ジェイガー作曲「シンフォニア・ノビリッシマ」を高橋宏樹編曲で演奏する。吹奏楽ファンは「どんなアレンジになるんだろう?」「オーボエのあのソロはどの楽器がどう演奏するんだろう?」と興味をかき立てられるに違いない。
コンサートでは圧倒的なスーパープレイで観客の度肝を抜く侍BRASSだが、曲間では気心の知れた者同士の軽妙でユーモアたっぷりのトークも楽しませてくれる。
今年も、東京オペラシティ コンサートホールのステージで「剣豪」たちがどんな音楽の「世界図」を見せてくれるか楽しみだ。
文:オザワ部長(吹奏楽作家)
(ぶらあぼ2024年8月号より)
2024.8/25(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
https://www.operacity.jp