サクソフォンの魅力をトータルに引き出す
東京オペラシティ『B→C』シリーズでも、佐藤はサクソフォンの多面性を映したプログラムを提示している。前半はバッハ(チェロ組曲第2番)、ブラームス(クラリネット・ソナタ第2番)といった古典の編曲ものに、サクソフォンがサウンドトラック(エレクトロニクス:有馬純寿)と絡むアヴァン・ポップの作曲家フェルドハウスの「ザ・ガーデン・オブ・ラブ」を挟む。後半はブリテン(オウィディウスによる6つの変容)、ベリオ(セクエンツァⅦb)、そして佐藤が日本初演したブーレーズ「二重の影の対話」サクソフォン版と近現代の大家が並ぶ。ソプラノ、アルト、バリトンと3種類のサクソフォンを持ち変える、凝縮されたリサイタルになりそうだ。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年3月号から)
3/17(火)19:00 東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp