クァルテット・ウィークエンド クァルテット・エクセルシオ Quartet+

多彩な音色のパレットに新色をプラス

日本ではごく少ない、常設の弦楽四重奏団として活動しているクァルテット・エクセルシオ。東京、京都、札幌で行う定期演奏会ほか企画性のあるコンサートやアウトリーチ活動などを行い、また大晦日恒例となった東京文化会館小ホールでの『ベートーヴェン弦楽四重奏曲演奏会』にもレギュラー出演するなど、その演奏と存在価値へ注目が集まっている。結成20周年を迎えた2014年は、そうした活動に対し「ホテルオークラ音楽賞」が贈られるなど、知名度と評価は徐々にアップしているのだ。
そのクァルテット・エクセルシオが、共演者を迎えてさらにレパートリーや活動の可能性を広げているのが『Quartet+』というシリーズ。5回目となる3月のコンサートでは、小坂圭太(ピアノ)、柳瀬省太(ヴィオラ)、遠藤真理(チェロ)、石川滋(コントラバス)の4人をゲストに、シューベルトの五重奏曲「ます」やチャイコフスキーの弦楽六重奏曲「フィレンツェの想い出」といった室内楽の名品を取り上げる。4人だけで作り上げてきた多彩な色のパレットに新しい色をプラスすることで、さらに未知の色を生み出すというこのシリーズだが、固定化されがちとも言える弦楽四重奏団の活動に柔軟性を与え、広く「室内楽」の楽しみを聴衆と共有する新しい形態だと言えるだろう。エクセルシオ(=より高みへ)という名にふさわしい活動のひとつとして、ぜひ注目を。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

3/15(日)14:00 第一生命ホール
問:トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702
http://www.triton-arts.net