第8回 トッパン チャリティーコンサート

ミューズたちの魅力あふれるステージ

toppan0311 明治33年の創業以来、印刷を通じて情報や文化の普及・発展に力を注いできた凸版印刷。2008年からは途上国での識字能力向上を支援するチャリティーコンサートを開催、収益をユネスコ・アジア文化センターに寄付し、カンボジアでの識字能力向上のための教育支援を成功に導くなど、成果を挙げている。8回目となる今回は、ピアノの小菅優とメゾソプラノの林美智子、国際的な活動を展開する2人のミューズの魅力あふれるステージが開かれる。
 小菅は2005年にニューヨーク、翌年にザルツブルクでリサイタル・デビューを果たし、欧州を中心に第一線をひた走ってきた。高度な技巧と美音のみならず、スコアの裏の裏まで読み取った、深い洞察に満ちた演奏で聴衆を魅了。進行中のベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音およびリサイタルも素晴らしい出来栄え。「今、一番聴きたいピアニストの1人」と言っても良かろう。今回のステージでは、そのベートーヴェンのソナタから、後期の三大作(第30〜32番)を披露する。
 そして、深みある歌声ときめ細かな表現力で、日本を代表するメゾソプラノとして活躍する林。新国立劇場をはじめとするオペラの檜舞台への出演を重ねる一方、パーヴォ・ヤルヴィら名匠からの信頼も厚い。ピアノの名手・河原忠之の共演を得ての今回のステージ。ビゼー《カルメン》より〈ハバネラ〉などオペラの名アリアから、プーランクやサティの歌曲、さらに日本語詞が心に沁みる武満徹による名旋律まで、彼女の多層的な魅力が凝縮されたプログラムとなっている。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年1月号から)

小菅優(ピアノ) 2015.3/12(木)19:00
林美智子(メゾソプラノ) 2015.3/13(金)19:00
トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222 
http://www.toppanhall.com