ウィーン・フィルとサントリーホールディングス株式会社は2012年の4月に、東日本大震災からの復興を支援することを目的として、公益財団法人サントリー芸術財団に「ウィーン・フィル&サントリー音楽復興基金」を設立することを発表した。
これはウィーン・フィルからの100万ユーロ(約1億円)の寄付にサントリーグループが賛同し、同額を拠出して計200万ユーロ(約2億円)を基金とするもので、音楽活動を通じて被災地などに支援活動を継続的に行っていく。支援活動の柱は2つあり、1つは全国の音楽団体から復興支援のための活動を募集し、その企画への助成を行う。もう1つは公演事業で、ウィーン・フィル「こどもたちのためのコンサート」の実施。ウィーン・フィルの団員が被災地を訪れ、被災したこどもたちと家族のための演奏会やワークショップを行い、被災地のこどもたちのケアとともに次世代育成に貢献するというものだ。活動期間は2013〜22年の10年間で、毎年2〜3公演を予定している。
10月13日に行われた記者会見の席で堤剛サントリーホール館長は「音楽の力で日本に活力をとりもどしてもらいたい」と述べ、それを受けて、ウイーン・フィル楽団長のクレメンス・ヘルスベルク氏は「ウィーン・フィルの来日は今年で29回目。55年間にわたり日本の音楽ファンから愛情を注いでもらってきました。今回の震災には心を痛めています。音楽を通じた活動だけでは不十分と思い寄付することを考えました」と語った。 HP