卓越した感性と技巧で紡ぐショパンとリスト
トッパンホールで開催中のシリーズ『ピアニスト園田高弘没後10年を偲んで』の最終回に田村響が登場する。園田高弘コンクールおよび2007年のロン・ティボー国際コンクールの優勝者である田村は、“期待の若手”として注目され続ける20代を送りながら、受賞歴に甘んじることなく、ザルツブルク・モーツァルテウムや大阪音楽大学大学院で研鑽を続けてきた。国内外でのリサイタルはもちろん、多くのオーケストラとの共演も重ねてきた田村が恩師の名を冠したリサイタルで披露するのは、ショパンのワルツ第2・3・4番としてよく知られる「3つのワルツ」op.34、シリアスな陰影が魅力のピアノ・ソナタ第2番「葬送」、そしてリストの堂々たる大曲「ピアノ・ソナタ ロ短調」である。申し分のないテクニックと、飽くなき向上心を抱く田村が、同時代にパリで活躍したショパンとリストの名曲をどう描くのか。そのピアニズムの世界に期待が膨らむ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)
1/31(土)14:00 トッパンホール
問:ヒラサ・オフィス03-5429-2399
http://www.hirasaoffice06.com