ブロードウェイミュージカル『メンフィス』

トニー賞4冠に輝いたミュージカル初来日!

 1950年代、人種差別が根強いアメリカ南部の街で、黒人音楽を世に広めようとした白人DJがいた この実話をもとに、ロックバンド“BON JOVI”のデヴィッド・ブライアンが音楽を手がけたミュージカルが、日本初演を迎える。音楽を通じて、人種差別に風穴を開ける男の半生を、黒人女性シンガーとのラブストーリーを織り交ぜて描いた『メンフィス』は、2010年のトニー賞最優秀作品・脚本・作曲・編曲賞を受賞。骨太な題材ながら、ブロードウェイで世代性別を超えて観客を熱狂させたわけは、何といってもソウルフルな音楽にある。ブラックミュージカルを中心に、聴けば心が沸き立つ楽曲が満載だ。それを歌うキャストが気になるところだが、人間味に満ちた主人公・ヒューイを山本耕史が演じるほか、その恋人フェリシアに濱田めぐみ、さらにジェロ、JAY’ED、吉原光夫と、圧倒的な歌唱力と存在感を持つフレッシュな顔合わせが実現。
 先日行われた製作発表では、山本が早くもパワフルな歌唱を披露し、人種差別の壁に颯爽と挑むヒューイを表現。他のキャスト4人と圧巻のハーモニーを聴かせてくれただけに、期待が高まる。「音楽の力でさまざまな壁を乗り越えていくというテーマは、僕たち自身、現代にも通じるはず」と山本。まさに「壁を乗り越える!」といった意気込みあふれるダンスシーンも見どころの『メンフィス』が、2015年の幕開け、日本のミュージカル界に新たな風穴を開けてくれそう。これは見逃せない!
文:宇田夏苗
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年1月号から)

2015.1/30(金)〜2/10(火) 赤坂ACTシアター 
問:ホリプロチケットセンター03‐3490-4949 
http://hpot.jp/stage/memphis