名手たちが奏でるバッハと現代のコントラスト
Music Weeks in TOKYO『プラチナ・シリーズ』の第2回は「バッハ・コントラスト」と題して、来年が生誕230周年のJ.S.バッハを記念したプログラムだ。出演者も豪華。ベルリン・フィル元首席のハンスイェルク・シェレンベルガー(オーボエ)、堀米ゆず子(ヴァイオリン)、中野振一郎(チェンバロ)、山本徹(チェロ)が共演する。
バッハからは4つのトリオ・ソナタを演奏。緻密で滋味溢れる名演に期待しつつ、今回は原曲のフルート・パートをオーボエで吹き替えるのも大きな聴きどころだ。この4曲に挟まれる形で前半と後半に置かれているのが、シェレンベルガーと並ぶオーボエの名手ハインツ・ホリガーの若き頃の傑作、「独奏オーボエ・ソナタ」と、三善晃のヴァイオリンのための「鏡」。三善を恩師としたう堀米は、今年1月の彼のお別れの会でも知性と感性のバランスがとれた同曲の秀演を聴かせてくれた。それから約1年の時を経て、さらに美しく隅々まで磨かれた「鏡」がどのような風景を映し出すかが楽しみだ。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)
2015/1/21(水)19:00 東京文化会館(小)
問:東京文化会館チケットサービス03-5685-0650
http://www.t-bunka.jp