毎年名だたる指揮者が舞台に上がってきた、恒例のニューイヤー・コンサート。2024年はティーレマンが再登場。今年9月からバレンボイムの後任としてベルリン国立歌劇場の音楽監督に就任する、まさに現代を代表する指揮者の一人である。オペラでの豊富な経験を有するティーレマンらしく、各曲のキャラクターが際立っている。指揮者と並んで近年注目されるのは同演奏会初登場の作品であるが、今年も9曲が含まれている。中でも注目は、生誕200年の記念年を迎えるブルックナー。私たちが交響曲で知る精神性の高いブルックナーとは異なるチャーミングな音楽が聴けるのが大変興味深い。
文:大津 聡
(ぶらあぼ2024年3月号より)
【information】
CD『ニューイヤー・コンサート2024 /クリスティアン・ティーレマン&ウィーン・フィル』
カレル・コムザーク2世:アルブレヒト大公行進曲/ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ・フランセーズ「フィガロ・ポルカ」/ヨーゼフ・ヘルメスベルガー2世:ワルツ「全世界のために」/ブルックナー(W.デルナー編):カドリーユ WAB121/ロンビ:ギャロップ「あけましておめでとう!」 他
クリスティアン・ティーレマン(指揮)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
収録:2024年1月、ウィーン(ライブ)
ソニーミュージック
SICC-2352〜3(2枚組) ¥3190(税込)