新年を彩るウィーンの優雅な響き
ニューイヤーといえば「ウィーン」が鉄板。あの街では、楽友協会やコンツェルトハウス以外にも、毎夜さまざまな宮殿やサロンでワルツやポルカなどウィーンの音楽を聴かせるコンサートが開かれ、そのための楽団が数多く存在する。
市立公園の南端にある瀟洒な「クアサロン」を本拠に公演を開催しているウィーン・サロン・オーケストラもそうした楽団のひとつ。1994年に当時フォルクスオーパー管弦楽団のメンバーらによって結成されたこのオーケストラは、音楽芸術監督兼コンサートマスターのウド・ツヴェルファーの妥協のない音楽づくりによって鍛え上げられた実力派集団。しかも年間300公演以上という驚異の経験値。ウィーンものを弾かせたら、著名なシンフォニー・オーケストラに勝るとも劣らない薫り豊かな味わいを醸し出す。ウィーンの音楽を、街の空気と一緒に運んで来てくれるオーケストラだ。
ゲストも多彩。1月10日の昼公演では、モーツァルトの演奏と研究の両面で際立った成果を示す久元祐子がピアノ協奏曲のソリストとして出演。同日夜はミュージカルの貴公子・田代万里生が登場。キャリア初期にオペレッタにも数多く出演していた彼にとって、ウィーンの音楽はいわば原点といえるだろう。1月11日には四半世紀の活動を続ける「熊谷有梨バレエクラス」の子供たちとの可愛い共演も。新年の晴れ晴れとした気分でゆっくりとウィーンを楽しみたい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)
2015.1/9(金)19:00 川口市総合文化センターリリア
1/10(土)14:00/19:00 東京オペラシティ コンサートホール
1/11(日)14:00/18:00 ミューザ川崎シンフォニーホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677
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