オペラとバレエをもっと身近に
神奈川県民ホールが毎年年末に行っているガラ・コンサート。一流のオペラ・オーケストラ・バレエが一度に堪能できるスペシャル企画である。作品や作曲家についての解説や聴きどころ、観どころの紹介が合間になされるため、初心者でもわかりやすく、毎年大人気の公演となっている。クラシック音楽ファンはもちろん、オペラやバレエは初めてという人にもぜひ足を運んでもらいたい公演だ。9回目となる今回は、神奈川県民ホールが開館40周年を迎えることにちなんで、作曲家40歳のときの作品をピックアップして上演する趣向となっている。バレエは東京バレエ団プリンシパルの上野水香と高岸直樹による『くるみ割り人形』のグラン・パ・ド・ドゥと、高岸直樹振付の新作が上演される(共演:サクソフォンの上野耕平)。通常バレエの公演ではオーケストラはピットに入るが、この公演では舞台上でオーケストラが演奏し、その目前でバレエを踊る。音楽と踊りが溶け合うのがいつも以上に感じられ、バレエとは音楽を表現する芸術なのだということがよくわかる。オペラでは《カルメン》《トスカ》《椿姫》などから名曲の数々を。ほか《ザンパ》《展覧会の絵〜古城》《イタリア奇想曲》なども演奏する。指揮はおなじみ松尾葉子。オーケストラは神奈川フィルハーモニー管弦楽団。出演歌手は小林沙羅(ソプラノ)、岡田昌子(ソプラノ)、山本耕平(テノール)。バリトンの宮本益光が司会を務める。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)
12/28(日)15:00 神奈川県民ホール
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-kenminhall.com