ロイヤル・コンセルトヘボウ管に所属する名手たちの、室内アンサンブル版によるブルックナーの交響曲第6番だ。各1名からなる弦5部に、クラリネット、ホルン、ティンパニ、ピアノ、アコーディオンによる10人編成。しなやかに歌われるフレーズに、風通しのいい響き。爽やかに高揚して築き上げられるクライマックス。原曲がブルックナーの交響曲のなかでは例外的に流れのいい曲だけに、小編成でもまったく違和感がない。すべてが明快な姿で、そして情感をはらんで響く。とりわけアコーディオンがもたらす郷愁を誘うサウンドが心にじんわりと染みる。
文:鈴木淳史
(ぶらあぼ2024年1月号より)
【information】
CD『ブルックナー:交響曲第6番/カメラータRCO』
ブルックナー(ロルフ・フェルベーク編):交響曲第6番(アンサンブル版)
カメラータRCO
ロルフ・フェルベーク(指揮)
Gutman/東京エムプラス
JGUTMANCD 231 ¥3500(税込)