今年のコンセプトは“40”
オペラにバレエにオーケストラ。名作のハイライトをいっぺんに楽しめる、まさにファンタスティックな、神奈川県民ホールの『ファンタスティック・ガラコンサート』が、恒例の年末に戻ってきた。昨年はホールの改修休館のために11月末に開催されたが、年の瀬ならではの開放感はやはり特別。一年を締めくくって新しい年に向かうワクワク感が、華やかなガラにいっそうの彩りを添えてくれるはず。
神奈川県民ホールが来年1月に開館40周年を迎えるのにちなんで、プログラムに作曲家40歳の作品を織り込むという趣向の選曲。ヴェルディの《椿姫》、プッチーニの《トスカ》、エロール(エロルド)の《ザンパ》といったオペラや、チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」は、どれもみな作曲家が40歳の年に完成した(または手がけていた)作品だ。経験を積み、円熟を迎えた年齢に生まれた作品を並べて聴く機会は、単なる数字遊びだけでない意味もありそう。
指揮の松尾葉子、司会も務めるバリトンの宮本益光、東京バレエ団のプリンシパル上野水香と高岸直樹は、このコンサートの頼もしい常連たち。そして、赤丸急上昇中の2人のソプラノ・小林沙羅と岡田昌子に、テノールの山本耕平とサクソフォンの上野耕平という、時代を切り拓く2人の若き“耕平”。いま話題のアーティストたちが顔を揃える。管弦楽はもちろん神奈川フィル。
2015年へのカウントダウンを、この豪華なガラから始めてみては?
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)
12/28(日)15:00 神奈川県民ホール
問:チケットかながわ0570-015-415
http://www.kanagawa-kenminhall.com