欧米で注目の“ライジング・スター”が新風を巻き起こす
毎年「今年の指揮台に登場するのは誰か?」ということが大きな関心となる、国内オーケストラの「第九」公演。特に、将来が嘱望される逸材が起用される新日本フィルは注目度が高い。今年、その指揮台に上るのはイギリス生まれのベン・ガーノン。若手俳優のようなルックスで欧米から注目される彼は、ここ2年ほどというもの英国内外および欧米各地のオーケストラ、ザルツブルク音楽祭やBBCプロムスほかの音楽祭で次々にデビューを飾っている。まさにこれから、欧米の音楽シーンで話題を呼ぶであろう“ライジング・スター”が、東京で新鮮な風を巻き起こすのだ。
テューバ奏者として将来を嘱望されていた彼だが、指揮者としての才能も持ち合わせ、2013年にはロスアンジェルス・フィルによる『ディスカヴァー・ドゥダメル』というプロジェクトで見出されている。最晩年のコリン・デイヴィスにも助言を受けたという彼だが、今回の起用については新日本フィルのコンダクター・イン・レジデンスというポストにあるインゴ・メッツマッハーからの強力な推薦があってのこと。彼が審査員を務めた2013年の「ザルツブルク音楽祭若手指揮者アワード」で、ガーノンが栄誉を勝ち取ったという経緯があったからだ。それだけに“今、聴いておきたい指揮者”であることは間違いない。前プログラムとして置かれているブラームスの「ハイドン変奏曲」も合わせ、期待感が高まる。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)
12/20(土)14:00 Bunkamuraオーチャードホール
12/21(日)14:00 サントリーホール
12/23(火・祝)14:00 すみだトリフォニーホール
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp