第8回 アドルフ・サックス国際コンクールで日本人2人が入賞

第4位に平井亘、第5位に五十嵐健太

(c)Jean-Pol Sedran Photography

 第8回 アドルフ・サックス国際コンクールが10月31日から11月11日にかけてベルギーのディナンで行われ、以下の通り入賞者が決定した。

第1位:PINCHUK Dmitry(ロシア/スペイン)
第2位:MALAGNINO Alessandro(イタリア)
第3位:KAZAKOV Mikhail(ロシア)
第4位:平井亘(日本)
第5位:五十嵐健太(日本)
第6位:PETSKUS Vladimir(ロシア)

 本コンクールは、サクソフォンを発明したアドルフ・サックスの没後100年を記念して1994年に始まり、彼の生誕の地であるディナンで約4年に一度開催されている。クラシック・サクソフォンコンクールの最高峰に位置付けられ、過去には原博巳(2002年/優勝)、上野耕平(2014年/第2位)、齊藤健太(2019年/優勝)らが入賞している。

 予選には、ビデオ審査を通過した19ヵ国96名が出場し、ファイナルには6名が進出した。本コンクールは、サクソフォン作品のレパートリーを広げることも目的としており、予選およびファイナルの課題曲には、ベルギーの著名な作曲家ジャン=ドニ・ミシャとディルク・ブロッセが今回のために書き下ろした。コンクール終了後も、サクソフォンの重要なレパートリーとして各国のコンクールの課題曲などで使用される。

 日本人勢はそれぞれ第4位と第5位に入賞。第4位の平井は兵庫県出身。12歳でサクソフォンを始め、大阪音楽大学を卒業後、現在はパリ国立高等音楽院にて、世界的サクソフォン奏者クロード・ドゥラングルに師事している。第20回大阪国際音楽コンクール優勝。

HIRAI Wataru(c)Jean-Pol Sedran Photography

 第5位の五十嵐は、日本人の父とウクライナ人の母の間に生まれ、ウクライナのキーウ音楽院に進学したが、昨年戦禍を逃れて来日。現在は特別特待奨学生として東京音楽大学に在籍している。2022年第37回日本管打楽器コンクール サクソフォーン部門第1位ほか、30以上の国際コンクールで入賞するなど、実績を積んでいる。

IGARASHI Kenta(c)Jean-Pol Sedran Photography

Concours International Adolphe Sax
https://sax.dinant.be/concours