類まれな技巧と芸術性を併せ持つ実力者が来日
ロマン派とポスト・ロマン派の作品において国際的に高い評価を得ているパリ生まれのピアニスト、エマニュエル・デスパが満を持して来日公演を行う。彼はクラウディオ・アラウの孫弟子にあたり、妻は日本人ピアニストのミホ・カワシマ。
プログラムは、2021年にリリースしたJ.S.バッハのトランスクリプション集のCD『スピラ・スペラ』からブゾーニ編「シャコンヌ ニ短調」、彼の中心的なレパートリーであるリストの作品を挟み、後半は2017年に録音もしているショパンの「24のプレリュード」op.28 全曲で構成されている。ショパンの録音では最新の研究が反映された楽譜に基づくアカデミックなアプローチと詩的な表現が絶賛された。YouTubeの同曲集のレッスン動画では、演奏を伴った解説から、彼のショパン作品への深い理解と見識を知ることができる。今回の来日公演は、デスパの完璧なテクニックと果てしない想像力を余すところなく楽しめるベスト・プログラムであると言えるだろう。この機会を逃す手はない。
文:多田純一
(ぶらあぼ2023年11月号より)
2023.11/25(土)14:00 広島/三次市民ホールきりり
問:三次市民ホールきりり0824-62-2222
https://www.kiriri.org