~N響メンバーによる室内楽シリーズ~ N響チェンバー・ソロイスツ
第6回 開館20周年を珠玉の弦楽作品で彩る

郷古がシリーズ初登場! 開館20周年の祝祭に相応しい粋なプログラム

 N響チェンバー・ソロイスツは、オーケストラ活動で練り上げられた驚異的なアンサンブルを、Hakuju Hallの素晴らしい音響で聴くことができるシリーズ。生き生きと音楽が息づく室内楽は毎回至福のひと時をもたらしてくれる。

 第6回のハイライトは、今年4月、ゲスト・コンサートマスターに就任した郷古廉の初登場。ヴィルトゥオーゾ・ソリストであると同時に、コンサートマスターとしての牽引力も並外れており、楽員の信頼も厚い。

 今回は郷古をはじめ、宇根京子、大宮臨太郎、三又治彦(以上ヴァイオリン)、佐々木亮、三国レイチェル由依(以上ヴィオラ)、中実穂、宮坂拡志(以上チェロ)という若手から中堅までの弦楽器奏者8名が出演。

 プログラムは、モーツァルトのヴァイオリンとヴィオラのための二重奏曲と四重奏曲第13番、ブラームスの六重奏曲第1番、メンデルスゾーンの八重奏曲という室内楽を代表する名曲が並ぶ。郷古は四重奏曲をのぞく3曲で第1ヴァイオリンあるいはデュオを担当する。

 ブラームスの六重奏曲は、第2楽章のロマンティックな主題がルイ・マル監督の映画『恋人たち』で用いられたことでも知られる傑作。モーツァルト初期の名作、四重奏曲第13番の奇跡的に美しいニ短調の響きが終わると、メンデルスゾーンのわくわくさせる八重奏曲が続くという全体の選曲・構成は、Hakuju Hallと三又治彦が練り上げたもの。開館20周年にちなみ、各曲の編成を足すと「2+4+6+8=20」になるという粋なアイディアも盛り込まれている。祝祭にふさわしい華やかなコンサートとなることだろう。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2023年10月号より)

2023.11/21(火)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hall チケットセンター03-5478-8700 
https://hakujuhall.jp