真夏の大連で東京交響楽団が公演

 7月27日に、東京交響楽団が中国の大連を訪れ、「大連夏季国際芸術祭」に日本代表として参加した。邦人オーケストラが同地で演奏するのは初めてのこと。大連は高層ビルも立ち並ぶ人口560万人の港湾都市。この大規模なイベントに世界各国からオーケストラ、オペラ、バレエ、ミュージカルの団体が参加した。会場は大連人民文化倶楽部。この芸術祭への参加は今年の2月に中国の要人が東京交響楽団のコンサートを聴いて大いに感心し大連公演を熱望したことから実現した。音楽監督ユベール・スダーン率いる東京交響楽団にとって、これが初の海外公演となった。プログラムには、シューベルト「ロザムンデ序曲」、同「未完成」、ブラームス「交響曲第1番」というスダーンが最も得意とするドイツ・ロマン派の名曲が選ばれた。ほぼ満員の聴衆は東京交響楽団の演奏に感激し、アンコールが3曲に及んだ後も興奮状態は続き、スダーンは「八木節」を再度振った。東京交響楽団の大野団長は「大変に名誉なことと感じている。今後のアジア公演の足がかりにしたい」とコメント、大連市の文化局長は「大連で今回のようにレベルの高い演奏が聴けたのは初めて。今後も交流を続けていきたい」と語った。

東京交響楽団