第539回日経ミューズサロン 小澤真智子とノー・タグス(コンテンポラリー・タンゴ・グループ)
新たな時代のアルゼンチン・タンゴの響き

パリ発のタンゴ集団がジャンルレスで斬新な作品を紹介!

左より:セバスティアン・ノヤ、小澤真智子、シモーネ・トロメオ、パブロ・ムジェール

 ニューヨークから欧州へと活動範囲を広げるヴァイオリン奏者の小澤真智子と、イタリアのパレルモ出身のバンドネオン奏者シモーネ・トロメオ、アルゼンチンのラプラタ出身のピアノ奏者パブロ・ムジェール、同じくブエノスアイレス出身のコントラバス奏者セバスティアン・ノヤとの出会いによって、2019年にパリで結成されたのが、ジャンルにとらわれない現代のタンゴを追求するという思いを込めた「ノー・タグス」。

 今回の公演では、タンゴの代名詞的なG.H.マトス・ロドリゲス「ラ・クンパルシータ」やアストル・ピアソラの楽曲も演奏されるが、中心となるのはトロメオらメンバーによる多彩なオリジナル作品の数々。彼らはピアソラやオラシオ・サルガン(ピアノ/指揮/作曲)ら巨匠からの影響をもとに現代的な解釈を加えたと言うが、アルバム『Azimut Project』からはタンゴが育んできた伝統への敬意も伝わってくる。今回はその世界が生で体験できる貴重な機会となるだろう。
文:斎藤充正
(ぶらあぼ2023年10月号より)

2023.10/10(火)18:30 日経ホール
問:日経公演事務局03-5227-4227 
https://stage.exhn.jp