名器で魅せる卓越した感性
1690年代製作の名器ジョセフ・ガルネリの美音を紡ぎ、精緻なテクニックとしなやかな感性で聴衆を魅了し続けているチェリストの唐津健。桐朋学園高校を卒業後、ロンドンの王立音楽大学へ特別奨学生として留学し、ジャクリーヌ・デュ・プレを育てた名教授、ウイリアム・プリースらの薫陶を受けた。ミュリエル・テイラー・チェロコンクールに最年少で2位入賞。その後もジュリアード音楽院やニューイングランド音楽院修士課程に学び、98年には日本デビューリサイタルを開催した。精力的にリサイタル活動を展開する一方、2007年には標題作が日本初録音となるアルバム『ブリッジ、バーバー:チェロ・ソナタ』が高い評価を得た。今回のリサイタルではピアノの鷲宮美幸と共演。メンデルスゾーンの第2番とラフマニノフ、2つの名ソナタを大枠に、マルティヌー「ロッシーニの主題による変奏曲」とヒンデミットの無伴奏ソナタを配した骨太なプログラムが、いかにも唐津らしい。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)
11/29(土)14:00 JTアートホールアフィニス
問:パシフィック・コンサート・マネジメント03-3552-3831
http://www.pacific-concert.co.jp