『ブエノスアイレス午前零時』

森田剛が魅せる情熱のアルゼンチンタンゴ

 第119回芥川賞に輝く藤沢周のベストセラー小説『ブエノスアイレス午前零時』を初舞台化。演出は映画『世界の中心で、愛をさけぶ』で知られる行定勲が、脚本は第53回岸田國士戯曲賞を受賞した気鋭・蓬莱竜太が手がける。主演を務めるのは、蜷川幸雄や、いのうえひでのりら名演出家たちの作品に出演し、舞台俳優としての評価も高いV6の森田剛。本作では都会で挫折し故郷で働く男・カザマと、ブエノスアイレスのマフィア・ニコラスという初のひとり二役に挑む。
 物語の舞台は、ひなびた温泉宿のダンスホール。ある日、宿の従業員・カザマは社交ダンスツアーの客として来たミツコと運命の出会いを果たす…。ストーリーの重要なカギとなるのが、劇中で森田が踊るアルゼンチンタンゴ。抜群の身体性をもって披露する、情熱の舞に注目したい。相手役の若きミツコを演じるのは、舞台初挑戦となる女優の瀧本美織。その他、橋本じゅん、千葉哲也、原田美枝子ら、実力派俳優陣が脇を固める。
文:小野寺悦子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年12月号から)

11/28(金)〜12/21(日) 新国立劇場(中)
12/25(木)〜12/29(月) シアターBRAVA! 
問:パルコ03-3477-5858 
http://www.parco-play.com