気鋭の大型テノールの名唱をじっくりと
1963年のスタート以来、優れた音楽家の名演を紹介し続けて来たコンサート・シリーズ「毎日ゾリステン」。今回は、2011年の第80回日本音楽コンクール声楽部門を制した、テノールの西村悟が登場する。日大芸術学部を経て、東京芸大大学院を修了後、ボローニャやヴェローナなど本場イタリアに学んだ西村。次世代を担う実力派として数々の檜舞台で活躍を続け、特にサントリーホールオペラ・アカデミーなど複数のステージで演じたプッチーニ《ラ・ボエーム》のロドルフォは、“当たり役”と言われるほどの好評を得ている。単独リサイタルとしては初となる、今回のステージ。グノー《ロメオとジュリエット》から〈ああ、太陽よ昇れ〉やプッチーニ《トスカ》から〈星は光りぬ〉や、同じく《トゥーランドット》から〈誰も寝てはならぬ〉などオペラの名アリアはもちろん、トスティ〈理想の人〉など歌曲の佳品も披露。フレッシュな歌声をいち早く堪能できる、貴重な機会となりそうだ。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)
11/28(金)19:30 横浜みなとみらいホール(小)
問:毎日新聞社事業本部03-3212-0804
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