高崎芸術劇場 × 愛知県芸術劇場 × Dance Base Yokohama
パフォーミングアーツ・セレクション in Takasaki

世界を牽引するカンパニーゆかりのダンサーによる高崎だけの特別プロ

 連日暑さが報じられる群馬をさらに熱くする高崎芸術劇場は2019年の開館以来、最先端の舞台芸術や音楽を紹介してきた。今回は愛知県芸術劇場とDance Base Yokohama(DaBY)との提携で、3作品が上演される。世界的に人気の高いオランダのネザーランド・ダンス・シアター(NDT)で活躍してきた面々が出演する、高崎だけの特別プログラムだ。

 中村恩恵は、NDTで一時代を創った振付家イリ・キリアンが彼女のために『BLACKBIRD』を振り付けたほど特別なダンサー。今回はそのソロ部分と、コロナ禍を生きる閉塞感の叫びのような中村自身の作品『BLACK ROOM』を連続で上演する。

 イリ・ポコルニはNDTで活躍後、いまや様々なカンパニーで引っ張りだこの振付家・ダンサーである。今回の『Night Shades』は自然と人間の繋がりがテーマ。DaBYの若手ダンサーたちに振り付けた、エネルギーと深みが共存する作品となっている。

 柿崎麻莉子(元バットシェバ・アンサンブル)とアリス・ゴドフリー(元NDT)による『Can’ t-Sleeper』のテーマは読んで字のごとく「不眠」。ズバ抜けて身体の利く二人が、現代人に切実な問題をどうダンスで表現するのか楽しみである。

 今回の特別プログラムは、じつは来年同劇場で実現するNDTの来日公演と連携している。前回異例の観客動員数を叩きだしたNDTの再来日を待ちつつ、ダンスの多様性を堪能できる今回の公演を楽しんでほしい。
文:乗越たかお
(ぶらあぼ2023年9月号より)

2023.9/21(木)18:30 高崎芸術劇場 スタジオシアター
問:高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900 
http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/
※愛知、大阪、東京公演あり