矢島愛子(ピアノ) & 永井公美子(ヴァイオリン) デュオリサイタル

シューマン夫妻とブラームスの愛の物語をたどって

 ロマン派ヴァイオリン・ソナタの傑作、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ2曲を柱に、クララとロベルト(シューマン)、ブラームスの愛の物語を描く秀逸なプログラム。クララのロベルトへの愛が溢れる「3つのロマンス op.22」に始まり、ブラームスがクララの好んだ歌曲の旋律を使ったヴァイオリン・ソナタ第1番「雨の歌」、ロベルトからクララへのクリスマス・プレゼントとして書いたと言われる「3つのロマンス op.94」、クララとの結婚に歓喜してロベルトが作曲した歌曲集「ミルテの花」から〈献呈〉(アウアー編)が並び、最後はブラームスの円熟を示すヴァイオリン・ソナタ第3番で締めくくる。

 ピアノの矢島愛子とヴァイオリンの永井公美子は共に桐朋学園大学・ハノーファー音楽演劇メディア大学で学び、これまで何度も共演を重ねてきた。矢島の豊かな響きと鮮やかな構成力、永井の艶やかな美音とドラマティックな表現力は今回の曲目にぴったり。数々の国際コンクールに入賞を果たした実力ある二人の息の合った演奏を楽しみたい。
文:長谷川京介
(ぶらあぼ2023年7月号より)

2023.7/2(日)14:00 ヤマハホール
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