第1回 西本智実(指揮) イルミナートフィル オーチャードホール定期演奏会

「カルミナ・ブラーナ」をヴィジュアル化


 西本智実がイルミナートフィルハーモニーオーケストラとオーチャードホールでこの11月から定期演奏会を開始する。西本が芸術監督を務める同フィルは、オーケストラだけでなく、合唱、オペラ、バレエ、美術、文学など様々なジャンルのアーティストが所属する芸術家集団。西本と同フィルは、2013年11月にアジアのオーケストラとしては初めてヴァチカン国際音楽祭に招かれ、枢機卿音楽ミサの演奏を担った。今年もヴァチカン国際音楽祭の出演が予定されている。また、京都・南座では《蝶々夫人》全幕を演奏している。
 オーチャードホールでの第1回定期演奏会では、オルフの「カルミナ・ブラーナ」が取り上げられる。ソリストは熊本佳永(ソプラノ)、中井亮一(テノール)、田中勉(バリトン)。この公演では、西本自身の映像台本を映像デザイナー大野一興がヴィジュアル化する。西本は「字幕だけでは伝わりきらない部分を映像でエッジをきかせて表現する」と述べる。演奏会の冒頭には、「カルミナ・ブラーナ」の前奏曲的な作品として西本が作った「天の岩戸伝説〜ヘブライからの風〜」が演奏される。ひふみ祝詞とヘブライ語の類似に注目して書かれた小品で、こちらも映像が入る。オーケストラの定期演奏会といっても単なる演奏だけではなく「新しい総合芸術を目指す」と西本は語る。1年に2回のペースで開催し、合唱の入った作品を取り上げていきたいという。第2回はヴェルディの「レクイエム」。これも「総合芸術としてここでしかできないことを披露する」と語っている。
文:山田治生
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)

11/14(金)19:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:Bunkmauraチケットセンター03-3477-9999 
http://www.bunkamura.co.jp