アテフ・ハリム 来日30周年記念 Meeting Brahms in 東京

映像とともに味わうブラームスの名曲

 「ブラームスに会いたい」。巨匠たちの系譜を受け継ぐ名ヴァイオリニストで、きまってステージで身に着けることから“てぬぐいマエストロ”の異名をとるアテフ・ハリムは長年、願い続けてきた。自身の来日30周年と作曲家の生誕190年を記念するリサイタル。不朽の傑作を披露するとともに、最新技術による演出を交えて、「ミーティング・ブラームス(ブラームスとの対面)」を目指す。

 カイロ出身。5歳でヴァイオリンを始め、13歳で単身パリへ。ハイフェッツ、メニューインら20世紀の巨匠たちに師事し、ベームやバーンスタインらと共演。1993年に東京へ移住し、日本を拠点に活動を続けている。

 ベルギー出身のピアノの名手、パトリック・デ・ホーグと共演するステージでは、ソナタ第2番と第3番、「F.A.E.ソナタ」からブラームスの手になるスケルツォを披露。さらに、アメリカの映像作家、デボラ・アン・ディスノーが手掛けるヴァーチャルリアリティの演出により、「ブラームスを現代に“蘇らせる”」という。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2023年6月号より)

2023.6/21(水)19:00 東京文化会館(小)
問:A&A art 03-3392-2955
http://atefhalim.com