“芸術の方舟”が今年もやってくる
昨年、宮城県・松島町で開催された『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ』が、今年は仙台市内に会場を移し『ルツェルン・フェスティバル アーク・ノヴァ 2014 in 仙台』として開催される。このフェスティバルは、音楽を通じて東日本大震災からの復興を支援するために、スイスのルツェルン・フェスティバルの働きかけによって実現したもので、可動式コンサートホール「アーク・ノヴァ」を使用するのが特徴だ。昨年は、ルツェルン祝祭管のソリスト6名によるコンサートや、グスターボ・ドゥダメルによる指揮ワークショップ、坂本龍一指揮による東北全土の子供たちで結成された東北ユースオーケストラの演奏などが繰り広げられ、地元の人々はもちろんのこと、全国から聴衆が松島にやってきた。
会場の「アーク・ノヴァ」(ラテン語で“新しい方舟”の意)は高さ18メートル・幅30メートル・長さ36メートルの大きさ。空気圧で膨らむことにより、約500席を配置可能な無柱の巨大空間を実現しており、建築家の磯崎新と英国彫刻家のアニッシュ・カプーアが設計&建築に携わっていることでも話題となった。
今年は仙台市内に「アーク・ノヴァ」を設営するため、アクセスが抜群によくなり、より気軽に音楽を楽しめる環境が整った。
会期中、ビッグバンド・ジャズや能など、様々なジャンルのステージが展開される。クラシック関連の公演は、ルツェルン祝祭管ソリストたちによる室内楽(11/3)、ティル・フェルナー(ピアノ)(11/4)、ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)(11/6)、鈴木大介(ギター)×平田耕治(バンドネオン)デュオ(11/8)、荘村清志(ギター)がソリストとして出演する仙台フィル スペシャル・コンサート(11/9)など盛りだくさん。ほとんどの公演が1000円で楽しめるのも魅力だ。今秋、“芸術の方舟”が待つ仙台に足を運んでみてはいかがだろうか。
文:大塚正昭
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)
11/1(土)〜11/9(日) アーク・ノヴァ仙台会場(勝山館となり)
問:仙台放送エンタープライズ内 アーク・ノヴァ事務局022-723-0942
詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://ark-nova.com