ドイツ・グラモフォンの映像&音楽配信サービス「ステージプラス」の日本語版がスタート

 クラシックファンにはもっとも馴染みの深いレーベルのひとつ「ドイツ・グラモフォン」が2022年にスタートした配信サービス「ステージプラス Stage+」の日本語版がオープン、4月4日都内で記者会見が行われた。クレメンス・トラウトマン(ドイツ・グラモフォン社長)、ローベルト・ツィンマーマン(ドイツ・グラモフォン コンシューマー・ビジネス担当副社長)、藤倉尚(ユニバーサルミュージック合同会社 社長兼最高経営責任者)、芦田尚子(東京・春・音楽祭実行委員会事務局長)、そして東京・春・音楽祭で来日中のヤン・リシエツキ(ピアニスト)らが登壇した。

左より 芦田尚子、藤倉尚、ヤン・リシエツキ、クレメンス・トラウトマン、ローベルト・ツィンマーマン、城所孝吉
写真提供:ユニバーサルミュージック

「ステージプラス」は、ドイツ・グラモフォンによる音楽と映像の両方が視聴できるサブスク型の配信サービス。以下にポイントをまとめた。

●音楽配信
ドイツ・グラモフォンの歴史的名盤のほか最新アルバム含め1,200タイトルが聴ける。今後も継続的に追加されていく。
●映像配信
・ライブ配信
ウィーン国立歌劇場、ムジークフェライン、ベルリン・フィルハーモニー、コンセルトヘボウなど世界の名だたるオペラハウスやコンサートホールから、オペラ、オーケストラ、室内楽、器楽リサイタルが原則、毎週ライブ配信される。出演はグラモフォン専属をはじめとする国際的なアーティストや一流オーケストラなど。
・アーカイブ映像
ライブ配信終了後は、ポストプロダクションを経て見逃し配信の機会が2回設けられている。日本には通常20時(日本時間)に再配信される予定。また、そのほかにもグラモフォンならではのレジェンドたちによる歴史的映像やドキュメンタリー、インタビュー映像など、およそ250本が常時視聴可能となっている。
●視聴環境
パソコンのブラウザほか、専用アプリをダウンロード(無料)してiPhoneやiPad、Apple TVで視聴できる。
●画質および音質
4K、ロスレス、ハイレゾ、ドルビーアトモス対応。高音質・高画質を実現。
●料金、無料お試しなど
料金は、サブスクリプションで月間プランは¥1,990、年間プランは¥19,900でクレジット決済(Apple機器では、アプリ内課金の利用可能)ほか、無料お試しサービスも用意されている。

 会見でトラウトマンは次のように述べた。
「英語版、ドイツ語版に続きわずか3ヶ月後に日本語版をリリースすることは私たちにとって非常に重要なことでした。日本には大変見識豊かでクラシック音楽に敬意を持って接しているファンが多くいるからです。日本の音楽ファンの熱量は世界を見ても比類のないもの。熱狂的にクラシックを愛してくださる日本の皆さまにステージプラスは非常に質の高い音楽をお届けしていきます」

 続いてツィンマーマンは
「ドイツ・グラモフォンはレーベルとして他のサービスとまったく異なるものを作らなければならなかった。数多くのグラモフォンアーティスト、協力関係にあるホールやオペラハウス、音楽祭をまとめ、ユーザーにいかに音楽の多彩さを楽しんでもらえるか、それが私たちにとっての挑戦でした」
と述べ、iPad、Apple TVを用いて実際にデモンストレーションを行った。

 最後にリシエツキはアーティストとしての視点を語った。
「クラシック音楽にとって“本当の場所”はコンサートホールと思っています。それをライブ配信で自宅からでも観られるというのは素晴らしいことです。私たちアーティストにとっては音のクオリティがとても重要。その点においてドイツ・グラモフォンには大きなアドバンテージがあると思っています」

 そのヤン・リシエツキが出演する4月5日の公演、そしてキット・アームストロング(ピアノ)が出演する4月8日の東京・春・音楽祭の公演がライブ配信される。

〈今後の配信予定〉

4月5日/東京・春・音楽祭
ライブ配信:ヤン・リシエツキ&日本人ソリストたちによるブラームス作品集

4月8日/東京・春・音楽祭
ライブ配信:キット・アームストロングによる「鍵盤音楽年代記」

4月15日
収録配信:ジョン・エリオット・ガーディナーによるバッハ「ミサ曲 ロ短調」from ヴェルサイユ

4月19日/ベルリン・P・ブーレーズ・ザール
収録配信:アヴィ・アヴィタル~世界のはざまで:イタリア編

4月22日
収録配信:ジョン・エリオット・ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツによるモーツァルトとハイドン

4月28日
ライブ配信:ダニール・トリフォノフのスクリャービン「ピアノ協奏曲」。ヤクブ・フルシャ&チェコ・フィルハーモニー管弦楽団との共演

5月6日
収録配信:ファビオ・ルイージ&キム・ボムソリによるニールセン「交響曲第5番」と「ヴァイオリン協奏曲」

5月20日
収録配信:マンフレート・ホーネックがシュミットとベートーヴェンを指揮。ヴァイオリン独奏はマリア・ドゥエニャス

6月3日
収録配信:アルブレヒト・マイヤーとベルリン・バロック・ゾリステンがバッハを演奏

https://www.stage-plus.com