昭和音楽大学短期大学部 バレエ特別公演 〈未来へつなぐ ―日本の「静」「動」「美」〉

若い才能とプロたちの競演

 毎年バレエ界に優秀な人材を送り出している、昭和音楽大学短期大学部バレエコース。バレエの実技のほか、バレエ史や解剖学ほかの座学や音楽などを学ぶことができる。このバレエコースの特別公演として、豪華な振付家・出演者と在学生によるトリプルビルが行われる。テーマは〈未来へつなぐ —日本の「静」「動」「美」〉。日本の振付家による多彩な演目が揃う。
 まず『Will will』は、元Noismメンバーの山田勇気と高原伸子が振り付けた作品。好評を博した昨年に続いての上演となる。若さと希望あふれる短大2年生ならではの踊りを堪能することができるだろう。また、『トキ』は、能楽師の津村禮次郎が佐渡のトキの再生を願って2006年に発表した創作を、ネザーランド・ダンス・シアターで活躍し、現在フリーの小㞍健太がダンス化したもの。11年のスタジオアーキタンツ10周年記念公演で上演された。繊細さとダイナミズムが共存する作品で、津村とバレリーナ酒井はなとの異色デュエットも必見。そして『Degi Meta go-go』はスターダンサーズ・バレエ団バレエ・マスターの鈴木稔が97年に発表した『KATSUONISILAGA』を発展させ、折に触れて上演してきた作品。スピーディーでパワフルな動きが特徴だ。林ゆりえや吉瀬智弘をはじめとするスターダンサーズ・バレエ団とともに、卒業生がどう踊りこなすか、注目したい。
 踊りを学び、成長期にある若者達が、豊かな才能と経験を持つプロと一緒に舞台を作ることの意義は大きい。彼らの飛躍の瞬間を、私達は見届けることになるかもしれない。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年9月号から)

10/19(日)14:00 昭和音楽大学テアトロ・ジーリオ・ショウワ
問:昭和音楽大学チケットセンター044-953-9899 
http://www.tosei-showa-music.ac.jp