壮大なプロジェクトが、いよいよ最終盤へ。日本センチュリー交響楽団が、首席指揮者の飯森範親とともに取り組んでいる「ハイドンマラソン」。2015年にスタート、104の全交響曲を8年かけて披露し、録音も行う。18枚目となる当盤には、21年4月に開かれた第23回のステージから、エステルハージ宮廷楽団の副楽長に就任したばかりの28歳前後に書いた3曲を収録。回を重ねるごとに、弦のヴィブラートや管のアーティキュレーションなど、時代特有の作法も、いっそう自然に。今回は特に、ホルン・セクションの好演(とりわけ第5番)が印象的。若きハイドンの息吹が体感できる。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2023年3月号より)
【information】
SACD『ハイドン:交響曲集 Vol.18/飯森範親&日本センチュリー響』
ハイドン:交響曲第3番、同第15番、同第5番
飯森範親(指揮)
日本センチュリー交響楽団
収録:2021年4月、ザ・シンフォニーホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00804 ¥3520(税込)