神戸市室内管・混声合唱団 新シーズンプログラム発表記者会見

 2月10日、神戸市室内管弦楽団と神戸市混声合唱団の2023シーズンプログラム発表記者会見が行われ、神戸市室内管音楽監督の鈴木秀美、神戸市混声合唱団音楽監督の佐藤正浩らが登壇した。

 神戸市室内管弦楽団は1981年設立。2018年に管楽器の団員が加入したことを機に、それまでの神戸室内合奏団から現在の名称に改名。21年からは世界的なチェリストであり指揮者の鈴木秀美が音楽監督を務めている。

鈴木秀美

 2023年度は神戸文化ホールで行う定期演奏会5公演、22年度からスタートした市内の音楽ホールで行う「セレクション」シリーズ2公演を開催。
 鈴木は定期演奏会3公演、「セレクション」シリーズ1公演、神戸市混声合唱団との合同演奏会に登場。指揮のほかチェロの演奏もあり、鈴木の世界観を堪能できる演目が並ぶ。
 第160回定期演奏会(11/11)では、鈴木が「尊敬し、信頼のおける素晴らしいヴァイオリニスト」と絶賛する佐藤俊介とモーツァルトの協奏曲を共演。
 チェリストとして同団の演奏に加わり、指揮者なしで室内楽作品を演奏する「セレクション」シリーズ Vol.4(2024.2/23)では、「学生にレッスンをしていた際、室内オーケストラでもやってみたいと思った。良い演奏になると信じている」というドヴォルザークの弦楽五重奏曲第2番などを披露する。
 毎年恒例の混声合唱団との合同演奏会(23.12/16)では、ハイドンのオラトリオ「天地創造」を指揮。「オーケストラの書法やミサ、合唱を合わせたハイドンの集大成となる作品で、プロの管弦楽団と合唱団両方を持つ神戸で演奏しないわけにはいかない」と意気込む。

 客演では、アンサンブル・アンテルコンタンポランの次期音楽監督に就任するピエール・ブリューズ(24.3/9)、2021年のハチャトゥリアン国際コンクール指揮部門にて日本人として初優勝した出口大地(23.8/5)がタクトを執る。
 そのほか、神戸出身のアーティストも多数出演。第159回(9/2)で指揮する鈴木優人、第161回(24.3/9)でラヴェルのピアノ協奏曲の独奏を務める三浦謙司、「セレクション」シリーズ Vol.3(23.8/5)でニーノ・ロータ作曲のコントラバスと管弦楽のためのディヴェルティメントを披露する幣隆太朗(SWR交響楽団)らが故郷のステージに立つ。同じく神戸出身で昨年逝去した日本を代表する作曲家、一柳慧が2019年に作曲した同団の委嘱作品「弦楽オーケストラと2人の打楽器奏者のための 《コンチェルティーノ-Time Revival-》」が再演される(9/2)。

 つづいて、神戸市混声合唱団は1989年に神戸市が設立した日本でも数少ないプロフェッショナルの合唱団。音楽監督に就任し3シーズン目を迎える佐藤正浩が率いている。

佐藤正浩

 佐藤は「秋の定期演奏会」(23.9/16)、特別演奏会「合唱コンクール課題曲コンサート 2023」(4/23)に登壇。
「秋の定期演奏会では、音楽監督に就任した時から取り上げたかった萩原英彦さんの 『光る砂漠』を披露します。萩原さんは素晴らしい合唱作品をたくさん書いていて、フォーレにも影響を受けています。そのため、日本人作曲家とフランスの作曲家が呼応するイメージでプログラムを組みました」と説明。
 「合唱コンクール課題曲コンサート 2023」では、NHK全国学校音楽コンクールや全日本合唱コンクールの課題曲を指揮するほか、日本を代表するカウンターテナーの藤木大地を迎え、日本人作品のピアノ伴奏も務める。
「日本歌曲を詩情豊かに歌う藤木さんの歌唱を子どもたちに聴いてほしいという思いからお声がけしました。美しい日本語で語られるような歌声を見習ってほしい」と期待をこめた。
 そのほか合唱指導者としても有名な清水雅彦が指揮する「春の定期演奏会」(24.3/2)や団員が企画し市内各地のホールで歌う「文化センター コンサート」も開催する。

 2023年度は両団体が本拠地とする神戸文化ホールが開館50周年を迎える。充実のラインナップが周年イヤーに華を添える。

写真提供:神戸市室内管弦楽団・神戸市混声合唱団

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