吉松隆が音楽を担当した映画『ヴィヨンの妻』公開

 今年生誕100年を迎えた小説家、太宰治の原作による映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ』が10月10日より全国東宝系にて公開される。太宰自身をほうふつとさせる破滅型で放蕩な生活をおくる小説家と、夫に翻弄されながらも常に明るさを失わず前向きに生きようとする妻を描く。監督は『遠雷』『雪に願うこと』などで国内外から高い評価をうけている根岸吉太郎。主人公の小説家・大谷に浅野忠信、その妻佐知に松たか子が扮している。ほかに妻夫木聡、広末涼子、室井滋、堤真一らの出演。豪華なキャスティングと見事なカメラワークに加えて、吉松隆が音楽をてがけているのが大きな話題。「劇場用映画の音楽を書くのは初めてで、しかも、太宰文学は苦手だったのですが、『松たか子さんが主演です』と言われてつい引き受けてしまいました(笑)。音楽は根岸吉太郎監督の生み出す映像から自然に引き出されたもので、寡黙かつ耽美的な世界の中に戦後の貧しい時代の日本人の小さな不幸と小さな幸福を描いています」と吉松はコメントしている。同作はモントリオール世界映画祭コンペティション部門に出品され、最優秀監督賞を受賞した。
『ヴィヨンの妻』公式ウェブサイト