昨秋、角野隼斗がアメリカ人指揮者オルソップとポーランド国立放送交響楽団の日本ツアーで全国11ヵ所を巡り、ショパンのピアノ協奏曲第1番を弾いた。当ディスクはツアー3日目の大阪公演のライブ録音である。もともと音楽性が近似しているのだろうかと思うほど、オルソップ率いるポーランド国立放送響と角野のピアノがごく自然に溶け合う。細やかな音価のフレーズも、ダイナミクスの変化も、完成度の高いアンサンブルでニュアンスまでぴたりと寄り添う。デリケートでエレガントであり、誠実なショパンの演奏だ。初回盤は角野がショパン作品をオマージュした美しき「胎動」「追憶」も収録。
文：飯田有抄
（ぶらあぼ2023年2月号より）
【information】
CD『ショパン：ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11／角野隼斗＆マリン・オルソップ＆ポーランド国立放送響』
ショパン：ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 op.11／角野隼斗：胎動、追憶（初回盤収録ボーナストラック）
角野隼斗（ピアノ）
マリン・オルソップ（指揮）
ポーランド国立放送交響楽団
収録：2022年9月、ザ・シンフォニーホール（ライブ）
イープラスミュージック
em-0024（初回盤） ￥3000（税込）
em-0025（通常盤） ￥3000（税込）